- 治療中に起こり得る主な合併症
1)センサーがはがれて取れてしまうことがあります。多くは汗、お風呂上りに袖に引っかかったり、柱に引っ掛けたりして外れます。予期せず外れた場合は、コールセンターに連絡すると交換してくれる場合があります。
2)センサーによる接触性皮膚炎が生じることがあります。当院ではこれまでに150名に導入し7名が接触性皮膚炎で脱落しました。
*2020年6月より原因物質と考えられているIBOA(isobornyl acrylate)が使用されていない仕様に変更されました。変更前に皮膚炎を起こした患者さん4名に対して再度導入し半年ほど経過しましたが皮膚炎は全く生じていません。
3)まれにセンサー刺入部に感染症を起こすことがあります。当院ではこれまで2名に感染が生じました。症状としては穿刺部の痛み、周囲の発赤、熱感です。グルコース値の誤差も大きくなる(実測よりも低い)ようです。センサーを剥離し必要なら排膿することで大事には至らずに済みました。
- 治療を受けなかった場合に考えられる結果
従来通り自己血糖測定を行いインスリン単位などの調整を行います。血糖変動が把握できず、TIR値も得られないため良質な血糖コントロールが得にくいと考えられます。
- 本治療以外の治療について
1型糖尿病、低血糖を繰り返す血糖コントロールが不安定な2型糖尿病の患者さんでは持続血糖測定器(DexcomG4、ガーディアンコネクト)を保険適応内で使用することができます。これらの機器は持続的に皮下のグルコース値を表示しておりスキャンする必要がありません。また、アラート機能があり設定した血糖値になればアラートで知らせてくれます。ガーディアンコネクトは予測アラート機能も装備されており、設定した時間後(最大60分)に設定したグルコース値になると予測されるときにアラートで知らせることができ、より早期に高血糖、低血糖に対する対処ができる機能です。FGMに比して費用が高いこと、較正のため1日2回以上の血糖測定が必須になります。