ウイルス性上気道炎、いわゆる「風邪」について説明します。


風邪はウイルス感染による病気です

一般的な風邪の原因は、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどのウイルスです。細菌感染とは異なり、原因となるウイルスの種類が非常に多いため、「これを飲めば必ず治る」という特効薬は存在しません


なぜ特効薬がないのか

  • 風邪の原因ウイルスは数百種類以上ある

  • ウイルスは体の細胞の中で増えるため、ピンポイントで排除する薬を作りにくい

  • 多くの場合、体の免疫機能が自然にウイルスを排除する

このため、風邪は自然治癒する病気と考えられています。


抗生物質が効かない理由

抗生物質(抗菌薬)は細菌にしか効果がありません
風邪はウイルス感染なので、抗生物質を使っても治療効果はなく、むしろ

  • 下痢や発疹などの副作用

  • 薬が効きにくい菌(耐性菌)の増加

といった不利益が生じる可能性があります。


「薬が必要ない」と言われる理由

風邪薬と呼ばれるものの多くは、病気を治す薬ではなく、症状を和らげる薬です。

例:

  • 解熱鎮痛薬:熱や喉の痛みを和らげる

  • 咳止め:咳を一時的に抑える

  • 鼻水止め:鼻水を減らす

症状が軽い場合は、

  • 十分な休養

  • 水分摂取

  • 睡眠

だけで回復することがほとんどで、薬を使わなくても問題ありません


薬を使うのはどんなときか

  • 痛みや発熱がつらく、日常生活に支障があるとき

  • 咳や鼻水で眠れないとき

このような場合に、症状緩和を目的として一時的に使うのが適切です。


まとめ

  • 風邪はウイルス感染で、特効薬はない

  • 体の免疫が自然に治す

  • 抗生物質は不要・無効

  • 多くの場合、薬を使わなくても回復する

  • 休養と水分が最も重要

必要以上に薬に頼らず、体を休めることが、風邪治療の基本です。