日本人の3人に1人が高血圧であるといわれています。極めて一般的な疾患なので一般内科で治療を受けられる方も多くおられると思います。時々30~40歳で高血圧を指摘され一般内科で治療されていた60歳前後の患者さんの中に明らかに二次性高血圧の患者さんもおられます。高血圧はそれほど難解な疾患ではありませんが可能であれば初めから専門医に通院した方が安心です。

高血圧ガイドラインでは専門医への紹介を強く勧める病態に二次性高血圧、治療抵抗性高血圧(=二次性高血圧のことが多いです)があげられています。二次性高血圧は以下のような疾患があげられています。

二次性高血圧のほとんどが内分泌疾患なんですね。なので高血圧というのは初めから内分泌学会専門医のもとに通院した方が良いと思います。腎臓については、当院には優秀な超音波検査技師さんが非常勤で来られるため、腎血管性高血圧、腎実質性高血圧の診断もある程度は可能です。二次性高血圧が否定されれば、基本塩分制限と薬物治療なので、例えば外科医が診療しても結果は同じです。

当院の治療方針について、ガイドラインを参考に説明してみますと、年齢に関係なく血圧は高い方がよろしくありません。高齢者ほど血圧とイベントの関連がなくなっているようにみえますが、これはおそらく高血圧を放置していたら高齢者になれないまま人生を終えているのでしょう。

当院は平均寿命ではなく健康寿命の延伸を目指しています。すなわちピンピンコロリを目指しています。血圧が高い方が認知症などになりやすいわけですが、血圧を下げることによってアルツハイマー型認知症が減るというエビデンスはありません。しかし脳卒中や脳血管性認知症は減少することは知られています。のでしっかりと血圧の管理を行ってほしいと考えています。

「管理を行ってほしい」この意味は・・・

 

ガイドラインでも家庭血圧が薬効評価に対しては最適とされていますので、家庭血圧を測定してもらっています。血圧計がなければ無料レンタルも行っています。一つしかないので、今(2020年3月8日現在)クリニックにはありません。測定方法もガイドライン通り、
①起床後1時間以内、排尿後、食事、薬を飲む前
②血圧は2回測定、間は1分空けて。上腕にまくタイプ。
③7日間測定(計14回)、その平均を130-80、できれば125-75mmHg未満を目標に
④120mmHg未満になれば自己判断で内服を中止してもOK。中止したまま7日間測定し目標を達成できなければ自己判断で再開(と指導しています。)

 

 

以上が内分泌代謝内科専門クリニックでの高血圧診療です。
健診で初めて指摘された方は是非、内分泌内科の高血圧診療を受けてみられるのは如何でしょうか?といっても基本、二次性高血圧の鑑別と、家庭血圧をしっかりと測定していただくだけですが。