#1型糖尿病
まれに1型糖尿病初発の方が受診されます。普通は基幹病院に紹介して入院、インスリン導入、カーボカウントや血糖測定の手技獲得、インスリンの単位調整を行って退院、以後、外来通院。というパターンが多いかと思います。当院は糖尿病専門クリニックですので入院はできませんし、嘔気などケトアシドーシスの症状がなければ歩いて受診された方に入院を勧めることも致しません。外来でインスリン導入、注射手技、血糖測定の方法について説明してます。
実際にはどのようにしているかといいますと・・・15歳高校生、学校健診で尿糖4+、口喝、多飲、体重減少、倦怠感のため受診。血糖値450mg/dl、HbA1c14%。
初日:糖の流れについて説明します。(https://mashitani.com/info/%e7%b3%96%e5%b0%bf%e7%97%85%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%82%8a%e3%82%84%e3%81%99%e3%81%8f%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/)
1型糖尿病である可能性が高いこと、インスリン治療が必要なことを理解していただければ、院内で基礎インスリンの注射を行います。単位は体重当たり0.2単位、やや多めから始めます。追加インスリンは糖質10gに対して1単位と指示します。血糖測定はリブレを腕にくっつけて可能な限りスマホでスキャンしてもらいます。最後にLINEの交換を行って帰宅してもらいます。
次の受診までの間、リブレリンクで血糖変動を、LINEで注射ができているかどうか確認させていただきます。
2回目:翌日、または翌々日に受診。インスリン注射手技について確認します。手技に問題なければカーボカウントの説明に入ります。パンフレットを使用して、主食はある程度きちんと測定、おかずは大皿10g、小皿5g、おかずの糖質はOKサインと説明します。
次にシンクヘルスの説明を行います。シンクヘルスは健康サポ―トアプリの一つで血糖、食事、血圧などの記録ができて、そのデータを病院と共有することができます。シンクヘルスが使いにくい方がLINEで食事の写真を送っていただき、毎回の食事でカーボカウントの説明を行います。数日、このやり取りをするとおおむねカーボカウントは習得できているようです。
3回目:初回から2週間後に受診。注射ローテーションの説明を中心に注射の手技を確認します。リブレの交換を行っていただき問題なければ4週間後の受診予約を取ります。この時にインスリン効果値、糖質インスリン比について説明します。これに関しては次回、アップします。