フリースタイルリブレを使用すると以下のようなことができるようになりSMBGの時と比較すると自分でコントロールしやすくなります。

①食事、運動、薬剤(インスリン投与量)、ストレスなどと血糖の関係が容易に把握できる。
②目標血糖を達成するために必要な食事、運動療法が簡単に把握できる。
③血糖変動をみて低血糖、高血糖の発現を予測し、早めの捕食、早めの補正インスリン等、症状が出現する前に対処できる。
④目標血糖を達成するために必要なインスリン単位数を自分で適切に決定することができる。

 

実際の治療法は、

センサーの装着、交換方法、特徴についてはFreeStyleリブレはじめてガイド(アボット社)を用いて説明をします。実臨床で行っている説明は以下の通りです。
①ブドウ糖は血管から間質液中に移動しますが、FGMは間質液中のグルコース濃度を測定するため血糖値と10分程度のタイムラグが発生します。スキャンで得られる値は10分前の血糖値ということになります。よくある問題として低血糖発現時、ブドウ糖を摂取してもFGMでは中々グルコース値が上昇せず、余計にブドウ糖を摂取しあとから高血糖になることがあります。すでに血糖値は上昇していますがタイムラグのためFGMの値が上昇しないためです。
②センサーの装着部位や状況によりFGMの精度は左右されます。腹部>臀部>上腕の順で誤差が大きくなります。穿刺部に炎症がある場合(痛み、蚊に刺された、ワクチンを打った)はグルコース値が低くなります。週に1回、日曜日の朝食前に血糖測定を行い装着中のセンサーの誤差について確認してください。
③グルコース値が低い程、誤差が大きい(実測値よりも低い)傾向があります。よってグルコース値で低血糖であると判断し捕食すると思った以上に高血糖になります。グルコース値が70mg/dl未満の時は血糖測定を行い誤差の確認を行ってください。
④グルコース値の目標はTIR(Time in Range)が70%以上、TBR(Time below range)が5%未満、高齢者ではそれぞれ50%以上、1%未満です。食後、目標値よりも高い場合は、注射したインスリン量に対して食べた糖質が多い、運動量が少ないことが考えられます。逆に低い場合は糖質が少ない、運動量が多いと考えられます。何度も同じ食事や運動を繰り返し血糖値が70~180mg/dlになるようにインスリンの量や食事、運動量を調整してください。夜間はグルコース値が変化しないのが理想です。就寝中に下がってくるようであれば基礎インスリンが多い、逆に上昇する場合は少ないと考え基礎インスリンの量を調整します。しかし夜間の血糖値は夕食の脂質、前日の運動量に左右されますので慣れるまでは外来で相談しながら調整します。
*当院ではLINEで食事の写真、FGMの日内グラフを送ってもらいいつでも相談できる体制を取っています。